4.1 二尺を超す大脇差1
茎棟の仕立てを長い物と短い物で区別していたのは肥前刀独特のもので、他国、他派では例がないはずである。 しかし、この「掟と特徴」が刀剣界で殆ど識られていなかったために、過去の肥前刀鑑定学において、適切で…
茎棟の仕立てを長い物と短い物で区別していたのは肥前刀独特のもので、他国、他派では例がないはずである。 しかし、この「掟と特徴」が刀剣界で殆ど識られていなかったために、過去の肥前刀鑑定学において、適切で…
二尺以上を刀と呼び、二尺以下を脇指とした分類法は、いつ頃から採用されているかは知らないが、必ずしも本筋の刀剣鑑定学に通っているとは言えない。 肥前刀では、刀の茎棟に肉を付け、脇指以下の短い物は角にする…
次の二口の忠国も二尺を越しているが、刀銘であるゆえ、やはり脇指である。茎棟は二口とも肉があるが、忠国の茎棟の仕立ては肥前刀のから外れていることは前述した。63の二代忠国は寸法が二尺一寸七分七厘あって、…
下の古文書は正広家に伝来したもので、藩からの注文状であるが、注目すべきはその寸法である。二尺一寸七分(65.75cm)の長さを指示し、脇指であることを断って注文されている。これによって、二尺(60.6…
二尺を少し出た刀銘の大脇指があれば、やはり二尺を少し出た太刀銘の刀もある。 これまで述べて来た通り、刀としての注文で作られたものであれば、寸法が短くても刀の約束事が守られている。つまり、銘の位置と茎棟…