3. 掟を外れた刀工達
これまで述べた茎仕立ての約束事は、いわゆる原則である。そして、大底の肥前刀はこの原則に当て嵌まると思っていて大過はない。とは言っても物事に例外はつきもので、肥前刀の掟にも例外がある。つまり、肥前刀本来…
これまで述べた茎仕立ての約束事は、いわゆる原則である。そして、大底の肥前刀はこの原則に当て嵌まると思っていて大過はない。とは言っても物事に例外はつきもので、肥前刀の掟にも例外がある。つまり、肥前刀本来…
古説を検証する場は後の方に設けてはいるが、茎棟については前後の関連もあり、この場で検証する。 前述の通り、茎仕立ての法則は肥前刀に欠かすことの出来ない重要な「掟と特徴」であるが、過去の多くの書物では、…
これまで述べて来た通り、忠吉系の肥前刀の茎棟には特有の約束事が存在していたが、中に掟通りの仕立てをやっていない者が数工いる。その中の一人は二代正広である。掲示の図版通り、正広各代の中で二代だけが脇指以…
忠国も掟に反して脇指以下の短い物でも茎棟に肉が付いている。今日、忠国は四代まで確認されているが、三代だけがどうやら掟を守っていたと思われる(図、上段)。 下段の図版は初代忠国だけの変遷を示したものであ…
今日、刀と脇指を区別するとき、二尺(60.6cm)を境としてそれ以上を刀、それ以下を脇指とするのが通例である。この線引きは、登録制度に伴う役所の事務処理に起因するところが大きいようにも思う。然しながら…