2. 肥前刀の茎仕立ては茎棟に掟あり

肥前刀の茎仕立てには、他国の流派には決して類例を見ることのない特殊な約束事があるが、この点を、十分な調査に基づき、的確に捉えて案内した書物はこれまで一書もない。 肥前刀の銘の位置が新刀期の他派と違って…

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 2.1 茎棟の掟1

本文で述べた通り、茎仕立ての約束事は肥前刀鑑定学の基本中の基本。先ず最初にこの「掟と特徴」を修得しておかないと、肥前刀を鑑るに際して的確な判断を誤ることもある。以下の図版で分かる通り、刀の茎棟には必ず…

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 2.2 茎棟の掟2

肥前刀の茎棟のことを筆者が『刀剣美術』で述べたのは平成七年(一九九五、第四六四号)であるが、それ以前に、茎棟の仕立て方に肥前刀の大切な「掟と特徴」が示されていることを識っていた愛刀家は少なかったと思う…

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 2.3 茎棟の掟3

○五代忠吉 9 刀 宝暦初め頃(一七五一~五四)10 脇指 明和頃(一七六四~七二)  四代忠吉の嫡男。元禄九年(一六九六)生まれ。初銘忠広。延享四年(一七四七)、父の歿後忠吉を襲名、三年後の寛延三年…

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 2.4 茎棟の掟4

○七代忠広 13 刀 文化後期頃(一八一〇~一六)14 脇指 享和頃(一八〇一~〇四)  七代目の忠広について細かく案内したものが少ない。作品の紹介も皆無で、従来の書物では生来の病弱説を伝えているもの…

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