6. 二尺以下の刀
前記の二尺を越す大脇指と全く逆で、二尺に届かない短い寸法でありながら「刀」として作られたものもある。 図20の押形で紹介している寛永頃の年代と目される初代吉広と、六代近江守忠吉の二口がその例で、寸法は…
前記の二尺を越す大脇指と全く逆で、二尺に届かない短い寸法でありながら「刀」として作られたものもある。 図20の押形で紹介している寛永頃の年代と目される初代吉広と、六代近江守忠吉の二口がその例で、寸法は…
茎仕立ての掟に関して、忠吉本家の歴代中に違反者は一人も居らず、刀の茎棟には肉を付け、脇指、短刀は角に仕立てて初代忠吉以来の約束事を墨守している。そして、長物の茎棟に肉を付けるという掟は、忠吉系の刀工総…
肥前刀工の銘が太刀銘に入っている長い物で、茎棟が角になっていれば99%以上が偽物である。極言すれば、銘を検討する必要もなく偽物と判定しても構わない。また、短い物で茎棟に肉があれば疑うのが当然である。唯…
73 初代正広の受領前の銘を偽にせたものであるが、この程度の銘を切っても世間では全然通用しない。つまり、肥前刀の長い物で茎棟が角であれば、銘の真偽を問う必要もない、と述べたのは、本物に紛れるほど上手な…
前掲の図版解説でも触れたように、区から目釘孔までの距離も肥前刀の隠れた掟である。75の近江守忠吉銘は区に近すぎるが、76の五字銘は遠すぎる。両者の中間ぐらいが肥前刀の目釘孔の一般的な位置である。 75…